ゴルフ場の芝生の種類とは?「ベント芝」「高麗芝」の違い

公開日:2024/06/15  

芝生の種類

ゴルフコースをまわる際、芝生の状態がプレーに影響を与えることを感じたことはありませんか。日本のゴルフ場では「ベント芝」「高麗芝」が主に使われており、これらの芝の特徴や違いについて知っておくことは、スコア向上の鍵となります。それでは、それぞれの芝について詳しくみていきましょう。

「ベント芝」の特徴とメリット

ベント芝は、寒冷地型の西洋芝で、その特徴は温暖な気候に弱いところにあります。しかしこの芝は、ボールの転がりがよく、スピンもかかりやすいのが利点です。また、芝目が少ないため、グリーン上でのボールの動きが予測しやすいです。

転がりの良さとスピンのかかりやすさ

ベント芝は、その柔らかい葉と密な茎が、ボールの転がりに好影響を与えます。とくにフェアウェイやグリーンに採用されることが多いのは、この転がりのよさがプレーヤーにとって大きなメリットとなるからです。

ボールが素直に滑り、意図した方向に進むため、アプローチやパットがしやすくなります。また、スピンのかかりやすさはショットにおいても重要で、ピンに対してボールをコントロールしやすくなります。

品種改良による夏場の耐久性向上

ベント芝は従来、暑さに弱いとされてきましたが、最近では品種改良が進み、夏場の耐久性が向上しています。これにより、日本の気候においても比較的安定した状態で芝を維持できるようになりました。夏でも美しい緑色を保ちながら、プレーヤーに快適なゴルフ体験を提供します。

芝目の少なさとグリーン上でのメリット

ベント芝は芝目が少ないため、グリーン上でのボールの動きが予測しやすいです。これはパッティングにおいて非常に重要であり、プレーヤーは芝目の影響を考慮して正確な読みを行うことができます。グリーン上での一貫したスピード感と転がりが、スコア向上に寄与します。

「高麗芝」の特徴とメリット

対照的に、高麗芝は日本芝の一種で、暑さに強く寒さに弱い特性を、もっています。そのため、日本の気候に適した芝です。高麗芝は芝目が強く、逆目になるとボールが転がりにくくなります。とくに夏に活躍し、姫高麗と呼ばれる品種がグリーンで使用されています。

暑さに強く寒さに弱い日本芝

高麗芝は日本芝の代表的な品種で、その生来から日本の気候に最適化されています。この芝は、暑さに強く、とくに日本の猛暑にも順応します。一方で、寒冷な冬季には弱いため、枯れてしまうことがありますが、これは冬眠期とも呼ばれ、正常な現象であるため心配する必要はありません。

芝目の強さと逆目の影響

高麗芝は芝目が強いため、グリーン上でのボールの転がり方が特徴的です。逆に芝目に沿っていくと、ボールの抵抗が強まり、転がりが緩慢になります。

プレーヤーは芝目の方向をしっかりと確認し、その影響を考慮してパットを行う必要があります。この特性を理解し、上手に利用することで、グリーン上でのプレーが向上するでしょう。

夏場の活躍と姫高麗の特徴

高麗芝は夏場においてその特性を発揮し、暑さにも強い姫高麗が主にグリーンで使用されています。姫高麗は、病気や乾燥にも強く、夏季においても美しい緑色を保ちながらプレーを可能とします。

これにより、多くのゴルフ場で高麗芝を使用したグリーンが設けられ、夏場でも良好なプレー環境が提供されているのです。

2つの芝が共存する「2グリーン制」の理由

1つのゴルフ場において、ベント芝と高麗芝が共存する理由は、気候変化と管理の手間にあります。日本の気候は春から冬まで大きく変動するため、1つの芝では管理が難しい面があります。そこで、2つのグリーンが存在する「2グリーン制」が採用されることで、芝の特性に応じたプレーが可能となるのです。

気候変化への対応

日本の気候は四季折々の変化があり、これがゴルフ場の芝の管理に影響を与えます。たとえば、ベント芝は寒冷地型であり、暑さに弱い特性があります。逆に高麗芝は日本芝であり、夏に強く冬に弱いといです。

このような気候の変動に対応するため、ゴルフ場は2つの異なる芝を導入しています。春や秋などの気温が適した時期にはベント芝が主に使用され、夏場には高麗芝が活躍する仕組みです。

1つの芝では難しい管理

1つの芝で対応しようとすると、芝の特性や要求される管理方法が異なるため、十分な管理が難しくなります。たとえば、ベント芝は高温多湿に弱く、高麗芝は逆に耐乾性があります。

これに合わせた適切な管理を行うことは、芝の健康状態を維持する上で極めて重要です。2つの異なる芝の用意で、それぞれの特性に合わせた適切な管理が可能となります。

2グリーン制のメリット

「2グリーン制」の導入で、プレーヤーは芝の特性を考慮してプレーを進めることができます。たとえば、ベント芝のグリーンでは転がりがよく、スピンがかかりやすい特性を利用してアプローチやパットを行うことが可能です。

一方で、高麗芝のグリーンでは芝目が強いため、それに合わせたラインの読みが求められます。これにより、より戦略的で変化に富んだゴルフプレーが楽しめるのです。

まとめ

ゴルフ場の芝生はプレーに大きな影響を与える要素であり、「ベント芝」「高麗芝」はその代表例です。ベント芝はボールの転がりが良く、スピンがかかりやすい特徴をもちつつ、高麗芝は日本の気候に適応し、夏場に強い姫高麗が利用されています。2つの芝が共存する「2グリーン制」は、気候変化への対策と芝の管理の効率化に役立っています。これらの芝の特徴を理解し、プレーに活かすことがスコア向上につながるでしょう。

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